暑い夏、キンキンに冷やしたスイカほどうまいものはないが、昔から「うまいだけで栄養なし」と言われ、単なる嗜好(しこう)品のような扱いを受けてきた。
しかし、近年、そうした“スイカ観”は過去のものになりつつある。
「栄養がないどころか、美容にも健康にも極めて優れた効能がある“スーパーフルーツ”という評価が定まりつつあります」(アドバイザー栄養士)
スイカの90%は水分だが、そこには貴重な栄養素がぎっしり詰まっているという。
「動脈硬化を防ぐといわれるリコピン、ナトリウムの排泄(はいせつ)を促し血圧を下げる作用のあるカリウム、β-カロテン、ビタミンCなどが豊富に含まれ、ミネラル、リン、鉄も含有。そして特筆すべきは、スーパーアミノ酸と呼ばれ、男性機能の向上に大きな効果があるとされるシトルリンが含まれることです」(同)
シトルリンは体内に入ると一酸化窒素を活性化し、血管拡張、血流改善をもたらす。
さらには精子の素になるアミノ酸「アルギニン」の生成も促す。
つまり、シモを直撃してくれるというわけだ。
「最近は『果物のバイアグラ』と呼ぶ医療関係者もいるくらいですよ」(先のアドバイザー)
ただし、冷たいスイカを一度に食べ過ぎるのは体に悪いので注意が必要。熱中症対策にもなる、まさに夏の救世主だ。